こころの晴れ間

高齢の親が変化や新しい挑戦を避けるようになったら?背景にある心のサインと家族のサポート

Tags: 高齢者, メンタルヘルス, 離れて暮らす親, 心のサイン, 家族のサポート, 声かけ, 地域包括支援センター

離れて暮らす高齢の親御さんの様子は、電話やオンラインでの短い会話、帰省した際に垣間見える断片的な情報からうかがい知ることになります。その中で、「以前はもう少し柔軟だったのに、最近は新しいことや変化を強く嫌がるようになった」「決まったやり方や習慣にひどくこだわるようになった」と感じることがあるかもしれません。

これは単に「年をとって頑固になったのだろう」と片付けられがちな変化ですが、実は高齢者の心の状態や体調の変化を示す大切なサインである可能性があります。特に離れて暮らす家族としては、こうした小さな変化を見逃さず、親御さんの心に何が起きているのかを理解しようと努めることが大切です。

高齢の親の変化に見られるサイン:新しいことや変化への抵抗

親御さんが新しいことや変化に対して抵抗を示す場合、以下のような具体的な言動が見られることがあります。

こうした変化は、程度に差こそあれ、多くの高齢者に見られる可能性のあるものです。しかし、その度合いが強くなったり、日常生活に支障をきたすようになったりする場合は、注意深く見守る必要があります。

なぜ高齢者は変化を嫌がるようになるのか?背景にある可能性のある要因

新しいことや変化への抵抗は、加齢による自然な心理的変化の一部でもありますが、それだけではない要因が隠れていることもあります。

これらの要因が複合的に絡み合っていることも少なくありません。単なる「わがまま」や「頑固さ」として捉えるのではなく、その背景にある親御さんの気持ちや状態を想像してみることが大切ですし、それによって適切な対応が見えてくることもあります。

家族ができる声かけと接し方

親御さんが変化を嫌がる様子が見られたとき、家族としてはどのように接すれば良いのでしょうか。

専門家への相談を検討する目安

親御さんの変化への抵抗が、単なる好みの問題ではなく、生活の質の低下や、他の懸念されるサイン(例えば、意欲の極端な低下、気分の落ち込み、不眠、物忘れの進行など)と同時に見られる場合は、専門家への相談を検討する時期かもしれません。

このような場合は、うつ病、不安障害、あるいは認知症の初期症状など、何らかの専門的なケアが必要な状態である可能性も考えられます。

どこに相談すれば良いか

高齢の親御さんのメンタルヘルスについて相談したい場合、いくつかの窓口があります。

これらの窓口に相談する際は、親御さんの具体的な様子(いつ頃から変化が見られたか、どのような言動があるか、他に気になることはないかなど)を整理しておくと、スムーズな相談につながります。

家族自身のメンタルケアも大切に

離れて暮らす親御さんのことを心配するのは当然のことですが、その心配が過度な負担となり、ご自身の心身の健康を損なうことがないように注意が必要です。仕事や家事、子育てに加えて親御さんのケアについて考えるのは、大変な労力がいります。

一人で抱え込まず、パートナーや兄弟姉妹と情報共有したり、役割分担を検討したりしてください。また、地域の相談窓口や、家族会などに相談することで、同じような悩みを持つ人とのつながりを持ったり、専門家のアドバイスを得たりすることができます。ご自身の休息時間やリフレッシュできる時間も大切に確保してください。

まとめ

高齢の親御さんが新しいことや変化を避けるようになる姿は、単なる「頑固さ」と片付けられない、心のサインである可能性があります。その背景には、認知機能や体力・気力の低下、不安や自信の喪失、あるいはうつ病などが隠れていることもあります。

離れて暮らす家族としては、こうした変化に気づき、親御さんの気持ちに寄り添いながら、小さなステップで関わりを持つことが大切ですす。もし、変化が顕著で他のサインも見られる場合は、一人で抱え込まず、地域包括支援センターやかかりつけ医、精神科などの専門機関に相談することを検討してください。親御さんの変化に適切に対応するためには、家族自身の心身の健康も維持することが不可欠です。

この記事が、離れて暮らす親御さんの変化に気づき、次の一歩を踏み出すためのヒントとなれば幸いです。